コピーライターの裏ポケット

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2010年06月06日

照井晶博 10年6月6日放送

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◯◯◯探偵
         照井晶博

「そうか。犯人はあの人だったのか…」
探偵はついに事件の真相にたどり着いた。
月明かりが街を静かに照らす夜、探偵はレイモンド家へと向かった。
真犯人を明らかにし、忌まわしい事件に幕をおろすために。
長い捜査ですりへってしまった足をゆっくりとひきずりながら、
探偵はレイモンド家の屋敷に入った。
広間のドアの前に立つと、探偵は乱れがちな息を整えた。
ドアの向こうに、レイモンド夫人と三人の娘、そして弁護士がいるのがわかる。
「犯人はこの中にいる」
探偵は、ドアノブをゆっくりと回し、体をひきずるように広間へと入っていった。
「はじめまして。亡くなられたご主人に依頼を受けた私立探偵のロメロです」
突然現れた探偵に、広間にいた人々は一瞬声をなくした。
探偵は言った。「ご主人のレイモンド氏を殺害した犯人は……」
「キャーーーーーーー!」
最初に悲鳴をあげたのは、レイモンド夫人だった。
夫人の絶叫は瞬く間に全員へとひろがった。広間中に響き渡る全員の悲鳴は、
真犯人を告げようとする探偵の声をかき消してしまった。
「ちょ、ちょっと皆さん、聞いてください。真犯人は…」
「キャーーーーーーー!」
広間にいた全員は、泣き叫びながらもうひとつのドアから走り去っていった。
「ちょ、ちょっと待って!」
探偵は、足をひきずりながら彼らを追いかけようとした。
でも、あきらめた。彼はもう走れる体ではないのだ。
「あーあ……」
探偵は力なく窓を見た。
そこには、この世のものとは思えない顔色で悲しく笑う、
ひとりのゾンビが映っていた。



柴草玲 http://shibakusa.exblog.jp/


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posted by 裏ポケット at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 照井晶博 | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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