コピーライターの裏ポケット

こちらのブログは
「コピーライターの左ポケット」の
原稿と音声のアーカイブです




2012年04月01日

西岡範敏 2012年4月1日放送

nisioka.jpg


素敵な発見

          西岡範敏

昨日タイムマシンに乗り
天動説つまり、地球の周りを星が回っているという説が
当たり前の時代に行ってきました。
バーで地動説をとなえてみました。
「地球が回っているから日はのぼり沈むのですよ」。
なかなか面白いことを言う奴だということで
マスターに一杯おごってもらいました。
マスターは「星が動くスピードが違うのは
空がいくつもの階層になって地球の周りをまわっているからだよ」と、
もっともらしく語る。なるほどね。
となりの客の「空飛ぶ鳥はどうして取り残されないんだい?」
という問いが
粋な返しとしてその場の拍手をかっさらうこととなり、
しつこく地動説を繰り返す私はばつが悪くなり、
そそくさと現代に帰って来た次第です。

タキシードにスニーカーでパーティーにいく
ギターをかき鳴らし腰をくねくねさせて歌う
なまこをたべる
ちょんまげをやめる
音のない曲を発表する
スピーカーのコーンにアイスピックで穴をあけて歪ませる
いつもたくさんギャラをくれる貴族の似顔絵をやめて、
アトリエの窓際に立った妻を描く

その時において異端とされたとしても
いずれ時を超えて親しまれるようなことになれば
それが素敵な発見と記憶される。

だから私はみんなの
きれいで
かわいくて
おいしくて
おもしろくて
かっこいい

から少し距離を置いて

自分の
きれいで
かわいくて
おいしくて
おもしろくて
かっこいい

を今日も探しに出かけます。

あ、タイムマシンを持っているからといって、
未来から盗むようなことはしませんよ。
自分がどう感じるか、どう思うか、どうするか、なんだな。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:西岡範敏
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2011年06月05日

西岡範敏 2011年6月5日放送

mini.jpg

ボクはミニぶた
                
西岡範敏


ボクはミニぶた。12才。体重は80キロ。結構でかいよ。
ミニぶたが大人になって80キロはめずらしくないのかなぁ。
普通のぶたが、だいたい200キロ。それに比べてのミニぶたなんだ。
ボクからするとボクがぶたで、彼らが超デカぶた。
でもボクが後だから仕方ないね。
プチトマトもトマトにくらべてのプチトマト。
ちなみにゾウの赤ちゃんは生まれたてでも100キロくらいだからね。

ボクはミニぶた。前世はヒト。ホモ・サピエンスだった。
チャールズ・ミンガスは直立猿人で、
アウシュビッツ・ノイバウンテンは半分人間。
どちらも代表作で最高傑作。
今のボクのフェイバリット。ミニぶたフェイバリット。

話がそれました。
例えば星の名前がそう。恐竜だってほら、見つけた人の名前がつくでしょ。
犬だってネコ目イヌ科だからね。
ヒトがヒトのために名前とか属性とか。
ヒトよりもみんな前から存在するんだけどね。
ボクは一番うしろの方。ヒトより後。
ルーツはイノシシで、ヒトによる品種改良の賜物。
だから存在自体がヒトの後なんだ。やだねぇ。
最も悲惨な例がナントカモドキ。
ドジョウの仲間なのにアユモドキとかね。
知らんちゅうねん。

ボクはミニぶた。体重は80キロ。
あんまりかまってくれないと冷蔵庫あけちゃうよ。
相方はボクが怒られながら喜んでいる態度が気に食わないらしい。
それでもなんにも無いよりはいいよ。
ボクは極度のかまってちゃんだからさ。
ボクの顔見て欲しい。話しかけて欲しいのさ。

相方は今でも一緒に寝てくれる。
もはやかわいくもないボクだけどそれだけは感謝してる。
それが無かったらボクはきっと気が狂う。
キバだって生えてんだよ。
口のまわり触られるのやだから、伸ばしっぱなしになっちゃって。
むかしはかわいかった。

ボクはミニぶた。散歩がてら立ち飲み屋に来たよ。
土曜日のいつもの散歩コース。
ターミナル駅のオフィス街から少し離れた立ち飲み屋。
夕方4時半から空いてる。
周りの視線から感じる。
ボクのこと、もはや誰もミニぶたとは思ってないさ。
体重80キロだからさ。ちなみに体脂肪率14%。
だからなにか。いい味だしてるよ。
あ、ぎんなんあるじゃん。たのんで、ぎんなん。
ぎ〜んなん!ぎ〜んなん!

土曜日はいつもここにくるんだ。
相方はます酒を手でからめとるように、
くちびるをちょっととんがらせて飲む。いつもの土曜日。

相方は55歳。女。会社員。ホモ・サピエンス。
ソーシャルマーケ、ストラテジー局、すぐやる課、専任課長。独身。
ボクと一緒に住んでるから、彼と外泊も出来ないし、お持ち帰りの男の子もうちに来ない。
たぶんね。

やった、来たよぎんなん。
いただきます。じゃ、このへんで。
さようなら。



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