コピーライターの裏ポケット

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2011年02月06日

岡野草平 2011年2月6日放送

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「内定」

            ストーリー 岡野草平
               出演 柴草玲

大学4年生の春。
同級生たちがつぎつぎと就活を終えていくなか、
ある日突然、ぼくは運命の選択をせまられた。
広告代理店に行くべきか、「嵐」になるべきか。

運よく、とある広告代理店からは内定はもらえていた。
かねてからの第一希望の会社だったが、
入ったからといって、必ずしもクリエーティブ局にはいけないらしく、
他の職種に配属されたら意味ねーな。などと生意気なことを思っていたときに、
一本の電話がかかってきた。
そして、おめでとうございます。あなたは「嵐」に内定しました。というのだ。

「嵐」とは、そう、あのスーパーアイドルグループの「嵐」である。
一般の人にはまったく知られていないが、
実のところ「嵐」はメンバー1人につき、10人いるらしい。
つまり、松潤は、オリジナルの他に9人いるということだ。

ぼくも最初は耳を疑った。
しかし冷静なって話を聞いて納得した。
CM、ドラマ、バラエティ番組、映画、コンサート、
あれほどの仕事量を5人で回せるはずがないのだ。
そこで、考えられたのが「嵐」という職業なのだという。

彼らは、世界最高レベルの整形手術を受け、
さらに、厳しい研修の中で踊りや歌はもちろん、
しぐさや表情までも完全にコピーしたうえで「嵐」になる。
そこから数年間、職業「嵐」としての生活を送ることになる。

職業がスーパーアイドルといえば、
華やかで聞こえはいいが、ネガティブな要素もある。
プライベートは徹底的に管理され、
恋愛はおろか、友人とさえ会えないのだという。
ミッキーマウスがこの世に2匹存在してはいけないように。
嵐もまたそうだからだ。
ただし年収は最低1億で、職業「嵐」を辞めた後は、
再び整形手術を受け普通の生活に戻れるのだという。

ちなみに採用活動があるのは、とても稀で、
今回はたまたま、大野くんの1人が辞めて枠が空いたらしい。
辞めた理由は教えてくれなかった。
なんで僕なんですか?ともきいたが、それも教えられないと。

一晩考えさせてください。と言ったら、
今決めないとだめだ。というので断った。
職種が大野くんというのが、ネックだった。
あれが、松潤かニノだったら、受けていたかもしれない。

いまでも、ときどき、思う。
あのとき、ちがう選択をしていたら、
このコンテの、この大野くんは、
ぼくだったのかな。と。



出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:岡野草平
posted by 裏ポケット at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 岡野草平 | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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